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事業承継の支援

今後、日本では中小企業の大廃業時代を迎えると言われています。

東京商工リサーチによると、2018年の休廃業・解散企業は過去最多の46,724件を記録し、今年は、新型コロナの影響もあり、過去最多を上回るペースとなっています。

また、中小企業の後継者不在率についても、今年の調査では57.5%と半数を超え、国によると、後継者不足による廃業は、今後さらに加速し、10年ほどで70歳を超える経営者のうち127万人が後継者未定となると予測しており、この現状を放置すると、2025年までにGDPは約22兆円、雇用は約650万人失うとされ、本来、残っていくべき企業も廃業せざるを得ない状況となっています。

さらに、近年、日本では、最低賃金が上昇し、政府は、早期に全国平均千円を目指すとしております。それに伴いコスト上昇により生産性の高くない企業は苦境に立たされ、生産性の高い企業が生き残っていくという社会に変わっていくと思います。私は、日本経済にとって、企業の体質強化を図り、世界との競争力を備えていくこの流れは正しいと思っております。

しかし、先ほど申し上げたとおり、本来残るべき企業が、後継者問題により廃業に追い込まれることは、日本経済にとって大きな損失となります。

このため、国では、中小企業の事業承継のための支援策をさまざま打ち出し、県内でも、松山商工会議所とえひめ産業 振興 財団が国から事業を受託しており、また、金融機関、商工団体、民間企業などでもそれぞれ支援が行われています。

おおまかにいうと、第三者承継やM&Aのマッチングについては、売上3億円以上の企業は民間が、それ以下は、松山商工会議所の事業 引継ぎ  支援センターが、親族承継・従業員承継・第三者承継に関する需要発掘、企業の実情に応じた個別支援などはえひめ産業 振興 財団の県 事業 承継ネットワークが担当することが多いようです。

しかし、これらの機関に共通する課題は、相談があってはじめて支援の必要性が判明するということです。これは、後継者がいないことが会社の信用にも関わる問題であり、企業にとって非常に繊細な話であるため、そういった事業所を特定することが困難で、全体像が把握できない要因となっています。そして、経営者としては、たちまち破綻してしまう問題でもないため、どうしても先送りとなりがちであります。

 一方、サラリーマンはAIや機械に取って代わられるとともに、消費者の価値観の変化に伴い、企業は柔軟な経営が必要となってきている為、トヨタ自動車の豊田 章男 社長と日本 経団 連の中西 宏明 会長らが相次いで、「終身雇用を前提に企業運営、事業活動を考えることは限界がきている」と発言されましたが、そこには日本型 雇用システムから脱却しないと手遅れになるという危機感があります。こうした時代の変化によりサラリーマンのリストラが増加するのではないかと懸念されております。

しかし、転職を余儀なくされる方々の中には、経営計画に則って予算を立て、必要な人員計画や業務計画を作るなどのマネジメントスキルに長けた人材も多くいます。そこで、県では、これまでも事業承継の促進に向け、移住支援や起業支援との連携も図っておられますが、転職を考えているサラリーマンにも事業承継による就業を積極的に提案していただきたいと考えています。そうすることでサラリーマンによる第三者 承継の促進につなげられます。

私は、これまで、起業家精神を持ち、ビジネス案はあるものの、経験や人脈不足により起業まで至らなかった人を多く見てきました。「千三つ(せんみつ)」という言葉があるようにベンチャー企業の成功率は0.3%ほどしかありません。この低い成功率を考えると、まず近い業種の企業に後継者 候補として入り、その企業でノウハウや地元とのつながりを学び、後継してから、新たな事業展開として、本来やりたかった事業に取り組む方が成功率は高い上に、その企業の経営も新しい時代に即した形態に変化していくことが期待できるのではないかと考えます。

そのため、事業承継に関わる関係機関が持つ、後継者のいない事業所についての情報連携を集約し、優秀なサラリーマンと地方の後継者のいない企業とのマッチングを進めていく仕組みを作り一元的に事業承継の支援を行うことが必要だと考えています。